笑顔に出会いたい      2024年1月

 新しい年が幕を開けました。しかし、元日早々喜べない災害が起き、おめでとうとは言えない状況になりました。被災地の被害状況や救助の様子を見ていると、3.11の再来だと思ってしまいます。あの頃は本当に皆様からの無償のご支援に助けられ、また、自衛隊の車両や制服が見えると救世主のように頼もしく安堵していたことを思い出します。自然の威力の前にあっはて無力な人間ですが、助け合う力はそれに勝るとも劣らない大きな前進する力となります。たび重なる災害ですが、被災者にとっては初めてのことですので、自分にできることで頑張って支援していきたいと思います。

(それにつけても、このような大きな災害はいつまで続くのですか、と天に向かって叫びたいです。天変地異に伴って世界の各地で勃発している戦争!人の心も狂ってきています。)

 一方、生活困窮者は静かです。自分のことでいっぱいながらもなす術もなく沈黙しています。こちらから声掛けして明るく応援する必要があります。

 今年の私の抱負は「笑顔に出会いたい」としました。引き続きご無理のない範囲で応援宜しくお願いします。

新体制のメリット     2023年12月 

今年は、夏にたまたま無駄な税金の支払いを止めようという考えから法人解散をした後、秋には思いがけず賃貸していた倉庫兼事務所の家の立ち退き要求に至り、大きな変化をしたフードバンク二本松でした。

 対処には苦慮いたしましたが、皆様からの温かい応援と止めてはいけないという叱咤激励により、やっと個人活動として、倉庫を持たずに、困窮者にはその都度食品を購入して無料配布する、という形に落ち着きました。借りていた家の片づけもようやく済んで明け渡しました。今後は事務仕事は自宅で行ってまいります。

 その都度食品を購入という方法には、困窮者側に立つ大きなメリットがあることに気づかされました。配布する当日に購入するので、新鮮野菜・肉・魚・牛乳等が渡せるということです。今までは食品ロス側に立った余剰食品を渡すというやり方だったので、加工品しかお渡しできなかったのです。新体制による配布を昨日から始めましたが、受け取った方は野菜とお肉があることにとても喜んでおられました。

 神様はドアを閉じられる時、もう一方の窓を開けておいてくださることを実感しています。

 皆様、今後ともどうぞよろしくお願いします。

    退去を迫られて   2023年11月

 先般、法人解散するも活動は継続というお知らせをさせて頂いたばかりですが、今度は、賃貸している事務所兼倉庫についてアパートを建てるので立ち退いてほしい、という通達がまいりました。確かに築50年以上で床はベコベコ、壁も剥がれ、という状態ですからいつかその日はやってくるとは思っていましたが。

 しかも、12月15日には解体を開始したいので、それまでに退去してほしいとの事ですが、行き先が決まるものではありません。これまで35,000円という家賃でお借りしており、この活動は全くの無収入でボランティアとして活動していることから、これ以上の家賃を払うことはできません。しかも様々な理由から場所はこの近くでなければなりません。そのような条件の所は見つかりません。見つからなかった場合、あとは他のフードバンク等に移管して、二本松は閉じるしかないのかと諦めの境地に陥っています。

 ご協力くださっている皆様からは、止めないでほしいというお言葉を頂いていますが、私としましても、あらゆる手を尽くしております。

 それにしてもあまりにも時間のない話です。やるべき手を尽くした後は、天命を待つばかりです。お祈りください。

    協力者の表彰     2023年10月

 森永乳業㈱福島支店では、会社のSDGsの取り組みとして、フードバンク二本松への食料支援を数年前から始めてくださっていました。

 一方、一般社団法人SDGsとうほくでは、持続可能な開発目標の達成に積極的に取り組んでいる団体に対して毎年表彰を行っています。今年も「とうほくSDGsアアード2023」が開催され、森永乳業㈱福島支店の取り組みがノミネート、みごと奨励賞を受賞しました。表彰式は東北大学にて行われ、入賞の4事業がそれぞれプロジェクトの概要をプレゼンされたとのことです。

 森永乳業さんは、そのプレゼンにおいて何度もフードバンク二本松を連呼してPRしてきましたよ、と嬉しいご報告をしてくださいました。

 審査員のコメントとして、「従業員を巻き込んで継続的な支援を行ったり、協力会社へ活動を広げたりしている。社会課題に対する意識を呼び起こしている点で、この活動は大変価値がある」とHPに載っていました。HPは「一般社団法人SDGsとうほく」で検索し、「最新情報」をご覧下さい。

 何とも嬉しいことで、当団体にご協力くださっている皆様も同様の表彰に値すると思っております。感謝!

    新生フードバンク二本松     2023年9月

 皆様にはすでにお葉書でお知らせさせて頂きましたように、一般社団法人を解散いたしまして、9月からは新たに「人格なき社団」として当会を運営していくことになりました。

 法人解散の理由はお知らせしましたように、法人税が高いことですが、その税額というのは市町村によって異なるのです。市によっては非営利活動であれば免税というところもあり、私にしてみれば何と理解のある市かと羨ましく思います。それに比べて我が市は...非営利でも活動するために道路を使うでしょう、とのたまいました。当会は、言うなれば行政の手が届かない部分を補う活動を1円の利益もないどころか自腹を切ってしているのにと、その言葉に少なからず怒りを覚えてしまったのは私の心が狭いでしょうか?市が助成金を出してくれる訳でもなく、私は何のために税金を払っているのだ、と理不尽さを感じた次第でした。

 ゆうちょ銀行では通帳を作り直すのに厳しい審査があり、1ヶ月かかるとのことです。それだけ不正があるからだそうです。やれやれ。正しい者がとばっちりを受けるのは世の常ですから我慢しましょう。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 

   協力者の表彰

森永乳業㈱福島支店では、会社のSDGsの取り組みとして、フードバンク二本松への食料支援を数年前から始めてくださっていました。

 一方、一般社団法人SDGsとうほくでは、持続可能な開発目標の達成に積極的に取り組んでいる団体に対して毎年表彰を行っています。今年も「とうほくSDGsアアード2023」が開催され、森永乳業㈱福島支店の取り組みがノミネート、みごと奨励賞を受賞しました。表彰式は東北大学にて行われ、入賞の4事業がそれぞれプロジェクトの概要をプレゼンされたとのことです。

 森永乳業さんは、そのプレゼンにおいて何度もフードバンク二本松を連呼してPRしてきましたよ、と嬉しいご報告をしてくださいました。

 審査員のコメントとして、「従業員を巻き込んで継続的な支援を行ったり、協力会社へ活動を広げたりしている。社会課題に対する意識を呼び起こしている点で、この活動は大変価値がある」とHPに載っていました。HPは「一般社団法人SDGsとうほく」で検索し、「最新情報」をご覧下さい。

 何とも嬉しいことで、当団体にご協力くださっている皆様も同様の表彰に値すると思っております。感謝!

   プラスアルファの仕事   2023年8月

 困窮者は、様々な理由で孤立しがちです。でも、自分を認めてくれる存在が必要ですし、慰めも必要です。そうした心の穴を埋めてくれるのに一役買っているのが、どうも猫の存在のようです。高齢の困窮者には猫を飼っている人が多いのです。しかし、不妊去勢手術するお金がないので、そのまま多頭飼いになってしまいます。

 父子家庭の方の家には猫がいます。トムという名前だったのでオスだとばかり思っていたら、4月に訪ねた時にトムが妊娠したというではありませんか。ハッ???という思いでしたが、今は動物愛護法が厳しくなり、猫を殺傷したら500万円以下の罰金です。身体が小さいのにトムは6匹の母さんとなり、私は里親捜しに奔走しました。無事、全員の里親が見つかり、来週はトムの不妊手術に連れて行くことになっています。今まで飼い主は生まれた子猫は○○してしまったようですが、それは聞かなかったことにしましょう。

 フードバンクの仕事とは単に食料の提供だけでなく、その人の生活の困難を取り除くことも視野に入れて活動していかなければならないニャー。

   お金の使い方問題    2023年7月

 本格的な夏がやってきました。困窮者に中には電気を止められている方もありますので、エアコンはもちろん扇風機すらない訳ですから、どうやって過ごしておられるのか心配です。物価高がいつも話題になりますが、その影響を痛切に実感しています。本当に深刻な問題です。当法人もここ最近は集まる食品が個人の方からは減少し、その一方でSOSの連絡が倍増しています。

 生活保護などを受けている方に少しでも有効なお金の使い方などを提案しますが、人間、今までのやり方を変えるのは至難の業であることを思い知らされます。スマホ代だけで生活保護費を使い切ってしまう人がいます。また、洗濯物は外干しせず、全て乾燥機にかけるという人もいます。周りは田んぼでよく陽は当たるという環境なのですが。また、対策として光熱費はその基本料金だけで1万円近くもとられるので、電気・ガス等を止めるという人もいます。欲しいものは買って、お金が足りなければ借金して、その返済のために生活保護費はなくなってしまうという人もいます。

 そういう人々を責めるのではなく、寄り添うのが私たちの活動です。

     物価高と便利な生活     2023年6月

 毎月のように食品の値上げが報道され、さらには電気料金も2000円も値上げするというニュース。収入は増えず支出のみが増えていくのですからたまりません。

 各地のフードバンクでは困窮者からの申し込みは増加しているのに、食品を寄贈する人も物も減少しているという需給のバランスが悪くなるという事態に陥っています。

 このどうしようもない現実を生き抜くためには、個人的には出費を抑える方法を考え出さなければなりません。昔の生活はそれほどの出費はなく、文明の力に頼った生活が出費を生みます。掃除にはほうきを使い、洗濯は手洗い、田畑で野菜を作り、テレビはなく夜は早く寝て日の出とともに起床し、友人との連絡には手紙をしたためる...こんな生活には戻れないとは思いますが、でも、戻ることができたら、新たな生活上の発見があるかも知れません。便利になりすぎてほとんどを機械がやってくれる生活においては、私たちは何か大事なものを失っているかも知れませんね。

 みんなで協力してこの生活苦を何とか乗り切りましょう!今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

      急増する利用者さん     2023年5月

 先月は食料支援を卒業された方の話をさせていただきましたが、その一方で4月からSOSの件数が急増してまいりました。急増と申しましても、私は小さな町で小規模に活動しておりますので、都市のフードバンクの比ではありませんが、当法人としましては、毎日のように新たなSOSが入ってくるので、これは今までにない現象と言えます。

 ソーシャルワーカーさんから連絡が入ることもあれば、ネットを見て直接電話をしてくる方もあります。また、首都圏から事情があって福島にやって来たという方が多いのも特記すべきことです。その方々はそう簡単に生活が安定せず、という状況です。福島は東日本大震災以降、人口が減ってますから新たに転入してくる方があるのは嬉しいことではありますが、何とも複雑な気持ちでもあります。

 しかし、それに比例して食品の提供者も増えていますので、神様の業にぬかりなし、です!

 残る問題は「働き手が少ない」こと。私も最近ちょっと疲れ気味です。お祈りください。

     卒業おめでとう    2023年4月

 新年度になりました。新年度というのは過去を脱却して、新しく始められる気持ちの新鮮さがあります。

 当法人がご支援させて頂いている方々の中にも、当法人を卒業(?)された方があります。今後の見通しがつき、食料支援の必要がなくなったという方です。多くのフードバンクが支援は3回までとしているところ、当法人はその方の生活の見通しがつくまで支援させて頂いていることは前にもお話しましたが、2年たってようやく自立できたのです。嬉しいことです!

 当法人の支援が終了される方の中には、亡くなったため、という方も何人かおられ、その事実を知らされた時はショックを受けましたが、考え方によっては、生涯お手伝いすることができて良かった、とも言えるかも知れません。

 卒業される方には、もし支援の必要が生じたら、いつでも遠慮なくご連絡ください、とお伝えしています。

 行政のような厳しい審査によることなく、ゆる~く、安心できるような体制で今後も支援していきたいと思います。皆様のご協力があって活動が成り立っております。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

皆様へ感謝         2022年12月

 先日、東北でフードバンク活動している団体の全体会議が盛岡で開催されました(私はオンラインで参加)。各々が抱えている問題等を話し合いましたが、どこでも共通して問題となっていることが活動資金をどうやって集めるか、ということでした。フードバンク活動はどの団体でもほとんどが無給のボランティアで行っています。しかし、倉庫代、光熱費、配達のガソリン代・宅配代、事務費等の費用は発生します。市に理解があって協力的な地域もありますが、自力で頑張るしかない地域も多々あります。

 そうした話を聞いていると、つくづくと私はカトリックであったために、皆様からのご協力が得られて、本当に恵まれていると改めて感謝する次第です。

 また、近隣の方々が、何かしらを持ってきてくださるようにもなり、フードバンクバンク活動が次第に知られるようになってきて、嬉しい限りです。

 物価高に歯止めがかからない昨今、困窮者はより大変な状況になってきています。彼らが少しでも希望を見いだせる社会を目指して、皆様と共に頑張ります!

             現代の問題          2022年11月   

 放課後に障害をもった子どもたち(小学生~高校生)だけを毎日15名程度預かっているという施設から食料支援の要望がありました。学校では緊張のためか昼食を食べない子もあり施設に来てから空腹だということでおにぎり等のおやつを提供しているとのことでした。

 どのような障害があるのかを伺ったところ、発達障害のお子さんがほとんどでした。

 現代病ですね。50年ぐらい前にはほとんどなかった病気です。精神的な病は完治することが難しく、発達障害は生後に発生することはなく、その全てが生まれつきです。つまり妊娠期間中に母胎から何らかの影響を受けてその病を得るものと考えられています。その原因について、農薬を使った野菜の摂取が原因だとはハーバード大学の発表です。そう言われてみると、確かに農業に農薬が導入された時期と一致します。それ以前は畑の肥料には人糞が使われていました。

 私たちは今、生活のあらゆることの見直しを迫られていますね。環境問題、物価高、コロナ、平和問題、貧困問題、人権問題...。問題解決には政府だけでなく、私たちの生き方も問い直されているように思います。

            困窮者との様子          2022年10月

 当法人が支援している個人の方々は皆、きちんとしておられるので、私も襟を正される思いがします。

 利用者さんは食品を受け取ると必ずお礼の電話をくださいますので、その際にこちら側からもお送りした食品は適切なものだったかどうかや、その後の生活状況等をお聞きしています。また、求職中でまだ仕事が見つからないけど今月は生活保護費のみでやってみますので食品はいいです、と厳しい現実をなんとか自力で乗り越えようとする方もあります。その方には無理な時は遠慮なくお電話ください、いつでも支援しますよとお伝えしています。また、ある方はどうしても困った時にのみお電話をくださり、必要な食品のみをお願いしてこられます。必要以上には要求してきません。

 一方、障害や病気を抱えている方は自活することが難しいので、その話相手になったり、当法人が行政の支援に結び付けるなどできることがあれば力になったりしています。

 貧すれば鈍する、という言葉がありますが、当法人が関わっている方々はまったくそうではありません。こうした方々に人間の尊厳を感じます。

           食品ロスの問題          2022年9月

 ある農家から、もち米の古古米を大量に抱えており、売れないから捨てるしかないものの食べられる状態なので倉庫に保管しているがどうにかならないかと当法人に相談がありました。保冷庫でお米に最適な14度で玄米で保管しているとのことです。それを精米すると、若干黄色みがかっているものの、炊いて食べてみると何の問題もありませんでした。10人ぐらいの方に試食してもらいましたが、全員がおいしく食べられた、ということでした。かつては、食品の良し悪しは自分の目と鼻と口とで判断していましたが、賞味期限というものが設けられてからは、それが一日でも過ぎると食べられるものでも捨てるのが当たり前になりました。

 事情を話してご理解頂ける方々に配布して喜ばれています。まだまだありますので、食べるご協力を頂ける方はご一報ください。

 実は身近にもおなかいっぱい食べることができない難民や困窮者がいるということに気づき、また「自分の目と鼻と口とで判断する」能力を忘れずに食料を大切にしてほしいと思います。日本の食糧難ももう始まっています。

             ある困窮者             2022年8月 

 そのご家庭は両親と息子、娘の4人暮らしです。息子さんは専門学校に通っており、娘さんは知的障害者です。お父さんは身体が弱く、仕事も休みがちで収入が安定しません。お母さんは週に4日、朝8時に娘さんを生活介護事業所に車で一時間かけて送り届け、15時には迎えに行きます。お母さんはパートの仕事を探していますが、このような状況にあった仕事は見つけることも難しく、ある日1000円を拾って警察に届け、半年後にそれが自分のものになることを当てにするほどです。息子さんの学費も親戚に借金して払っています。そんな中、当法人を知りました。

 当法人は食料支援はもちろんしていますが、やはり現金収入が必要なので、娘さんを施設に預けている間の時間、当法人の仕事をお手伝い頂くようにしました。お母さんはとても感謝して、何度も何度も私にお礼をおっしゃいます。来年には息子さんも専門学校を卒業して働きに出る予定ですので、それまでのつなぎ支援です。当法人は規模が小さいのでこのようなきめ細かい支援ができることがメリットです。

         困窮者に寄り添うとは        2022年7月

 世界情勢もおかしくなっていれば、天候もおかしくなっている近年ですが、そんな中にあっても冷静に物事を正しく判断できる人でありたいと思います。(何が正しいかは分かれるところですが...)

 私の悩みは、一人の困窮者にいつまで食糧支援を続けるかという問題です。大きい都市のフードバンクでは困窮者も多いため、3回までとしているところがほとんどです。ですが、現実は、高齢者で困窮状態にある方は、昔ながらの持ち家があると生活保護も受けられず、月4万円程度の国民年金で生活していかなければなりません。今後収入が増える見込みがなくフードバンクの支援でどうにか生活している方に、3回で打ち切るわけにはいかず、私は月一回の食糧支援をずっと継続しています。

 東北のフードバンクの集まりでは、月に何千トンもの食糧を何千人に配布した、と報告する団体もあります。その報告を横目に、私は困窮者を訪問して生活状況を把握しているので、やっぱり3回でやめるわけにはいかないと、一人密かに思うのです。大勢を支援できませんが、出会った一人を大切にしたいのです。

              がっかりな福島県人          2022年6月 

 今回はゴミ問題のお話です。2019年の環境省の発表によれば、一人一日あたりのゴミ排出量が都道府県別で福島県はワースト2位でした。

 福島県は東日本大震災以降ゴミが多いのは当然で、除染ゴミは今も10万ヶ所以上に保管(?)されたままで、私の所属する二本松教会の庭にも埋められたまま10年が経っています。

 しかし、今回の話は個人が出すゴミ問題です。ワースト2位の福島県のゴミは事務系ゴミよりも生活系ゴミが多いという結果です。一人一日あたり1035gものゴミを捨てているというのです。この生活系ゴミの中身は「生ゴミ」です。つまり、食べ残し、調理くず、賞味期限切れの食材等のことです。

 この現実を知り、私はしばし呆然...がっかりもいいところです。私の活動は何だったのだ...

 いや、だからこそ、もっと福島県人に呼びかけて食の大事さ、無駄について考えてもらうべく、活動の意義の周知と広報に力を入れていきたいと、決意を新たにしたところです。

 皆様には引き続き応援をよろしくお願い致します。


              フードバンク活動の展望          2022年5月

 フードバンク活動について、次第に認知度が上がってきていることを嬉しく感じています。この活動は国連が推し進めるSDGsにも合致しています。

 SGDsの認知については、テレビでも、いわゆる芸能人もさかんにその取り組みを呼びかけるようになってきており、その影響が大きいようです。

 当法人にも、テレビでフードバンクのことを知り、ネットで調べたら二本松市にもあることを知った、ということでさっそく食べる予定のない食品をお持ち下さった方があります。

 この活動は誰にでも身近な問題であり、活動に参加するにも手軽に支援できるところが広まる要因になっているかと思います。

 目指すは、日本の各市町村にフードバンクが設立され、その市町村内で食品を寄贈する人、それを必要とする人との需要と供給がうまく回っていくことです。

 日本はボランティア活動も定着してきており、日本全体に助け合いの精神が広まることを願っています。


          新年度にあたって          2022年4月

 4月を迎え、お陰様で当法人も丸一年が経ちました。この一年が滞りなく活動できましたことは、ひとえに皆様の温かいご支援のたまものと心より感謝申し上げます。また、新たな一年を頑張って行きたいと思います。

 コロナがまだまだ終息する見込みもない状況にあって、ロシアが(いえ、プーチンが)戦争を仕掛けるなんて、ただただ怒りを感じます。その影響は世界に及び、本当にひどいご時世になってしまったものです!

 そういう中にあって、私たちはできる支援をし、自分としては粛々と質素に日々の生活を送るしかありません。平和だということは、何という幸せかと改めて思います。

 フードバンク活動も少しずつ知られるようになり、当法人のある二本松市でも近隣の方が食品を少しずつ提供してくださるようになったことはとても嬉しく思います。国の方針としても、食品ロスの量を平成12年から令和12年の30年間で半減させる(273トンに)ことを目標に定めました。

 その一方で生活困窮者は増加しています。神様は人を助け合う存在としてお創りになりました...。

               食料問題               2022年3月

1.食料生産には多量のエネルギーを消費

2.食べられる食品の廃棄量は570万トン(2019年)

3.ゴミ処理経費は市町村で2兆910億円(2018年)、

4.世界では9人に1人が栄養不足

5.日本の食料自給率は38%(2019年)で先進国最低

と、どれを見ても現状をこのままのほほんと続けていてはいけない状態にあります。

 今回のロシアのウクライナ侵攻は世界にさらなる食料難を引き起こします。食料生産にもゴミ処理にも必要なエネルギー問題、食料の作り手不足、特に日本は食料を輸入に頼っていますので、日本でも食料不足または食品の高騰は目の前です。貧しい人はより貧しく、平均的と思っていた人々も貧しくなっていくことでしょう。

 私たちに何ができるでしょう?まずは、この現況を知り危機感を持つことです。そして、少しでも土があれば自分で野菜を作る、プランターでもいいでしょう、再生可能エネルギーを利用する、自分の命は自分で守るという意識を一人ひとりが持つことではないでしょうか。物がなければお金には何の価値もありません。

フードバンク活動の助け合い          2022年2月

 フードバンク活動は1960年代にアメリカで始まりました。1980年代にはヨーロッパにもアジアにも広がり、日本では2002年にアメリカ人によって組織され、その後各地で活動組織が誕生しています。

 アメリカでは発祥の国だけあって、フードバンクは各市町村にあり、国や州からの保護があり、社会にも浸透しています。一方日本では、農水省が「食品ロスの削減」に力を入れて、食品が余っている企業とそれを必要としているフードバンクとの仲介役を担ってくれていますが、まだまだ一般社会には浸透していないように思います。私も一般の人々に認識して頂く目的で、企業からの食品ロスの食品を案内と共に一般人に配布していますが、反応は鈍いです。この活動は非営利で、行政も必要な活動であることを認識していながら、アメリカのように国や県が保護政策を打ち出すことはありません。助成金は出しますが一時的です。一般の皆様からの温かいご寄付によって活動は成り立っています。改めてここで御礼を申し上げます。

 また、各フードバンク同士は連携していて、食品を融通し合ったり情報交換したりして助け合っています。

調理不要の食品を             2022年1月

新しい年を迎えました! 

 昨年中はたくさんの食品を皆様から頂き、困窮者の方々にお届けすると、何度も頭を下げ喜んで下さいました。自分から助けを求められる人はいいのですが、為す術もなく部屋にこもっている人も多いのです。先日は小6の男児の様子がおかしいと担任の先生が家庭訪問をしたところ、父子家庭ですが、お父さんが病気で仕事ができない状態でした。食べ物もなく、先生からのSOSでその日のうちに調理しなくても食べられる食品を三週間分お届けしました。見ると、部屋はゴミだらけで雪が降る日にお父さんは半ズボン姿でした。家はなく、会社社長の好意で倉庫の一室を住まいとしていました。電子レンジはありましたが、お風呂や洗濯はどうしているのでしょう?小6男児は聡明な顔つきをした子でした。彼の将来も心配ですが、今日の食べ物があることが先決です。

 お料理をしない(できない)方も多いので、「開けてすぐに食べられるおかず」や「パックごはん」などがあると助かります。男性や高齢者はお料理はしない(できない)という事情のためです。

 「わが家」再開              2021年12月

「わが家」とは、二本松市福祉課と二本松社会福祉協議会と当法人との協同で、引きこもりの方々のための居場所作り活動です。カトリック二本松教会を会場に月1回、集まって会食やゲームなどをしていました。コロナ禍により昨年4月から中止していましたが、この度再開しました。ですが、会食の代わりにお弁当とフードバンクから多少の食品を配布して30分で切り上げています。それでもほぼ全員(約20名)が参加されています。

 悲しいことには、この中止している間に2名の方が他界されていました。多くの方が何らかの病気を抱えておられますので、生活面だけでなく健康面でも厳しい状態に置かれていることを改めて思いました。一方、わが家での集まりを切っ掛けに社会に出る勇気をもらい、仕事(臨時ではありますが)を始めた方もおられます。

 会食はまだお預けですが、12月はビンゴゲームなどをする予定で、皆さんとても楽しみにしてくださっています。何の制約もないこの集まりを通して人間関係を取り戻して下さることを祈りつつ活動しています。

生活保護の問題点             2021年11月

 経済的に生活が厳しい方にとっては「生活保護」を申請して生活費を受給することができる制度があります。それには条件があります。

1.世帯の収入が月13万円以下の人

2.家族や親族から援助してもらえない人

3.病気やけがなどで働けない人

4.預貯金や土地、家などの財産がない人

などです。

 当法人が関わっている方々の何人かは、その申請を断念し、SOSを発信してこられました。4番が問題なのです。持ち家の人は売却しなければなりません。パソコンを売却するように言われた人は、それがなければ仕事もできないので申請を諦めたとのことです。車も財産になりますが、村はずれに住んでいる人には足を奪われることになります。

 生活困窮が一時的な人にとっては社会復帰のために、こうした物を手放すことはできません。もう少し融通の利く制度にしてほしいものだと思います。

 当法人はそうした行政から漏れた方々のために支援活動して参ります。

                4~9月までの半年間の活動報告          2021年10月

提供された食品量      支援した食品量

4月 420kg          5団体 238kg     個人12名 160kg

5月 815kg          9団体 164kg     個人13名 86kg

6月 270kg           11団体 742kg                   個人12名 103kg

7月 273kg          5団体 138kg     個人9名 106kg

8月 284kg          6団体 84kg      個人13名 163kg

9月 151kg          7団体 116kg       個人11名 134kg

合計 :2,213kg                    団体合計 :1,482kg               個人合計:752kg

 フードバンク活動における報告は重量でなされます。水物は重く、乾物や菓子類は軽いです。

 当法人は「困窮者支援」と「食品ロス削減」の両方を扱っていますが、「団体」へは主に食品ロス分を提供し、「個人」へは困窮者支援用の食品を提供しています。

 上記の数字は入れ出しが一致しておりませんが、それはすでに3月までに提供頂いた食品を4月以降に出しているためです。

 皆様のご協力を心から感謝申し上げます。本当に必要とされている活動だと思っております。                                                                                                                                                                                                                                                                                                           

困窮者いろいろ              2021年9月

世相を反映する新たな困窮者が増えています。今の世相とは、そうコロナ禍です。そのために失業する人、失業しないまでも勤務時間を減らされて、結果収入が減って食べるにも困るほどの状況に陥っている人が増えています。

 収入減という「災害」は人格にも影響を及ぼし、夫の人格を悪い方向に変え、そのために妻は家族としてやっていく希望を失い、ついには離婚に至るというケースが増えてきています。そして、シングルマザーになった女性は生活困窮に陥り、SOSを発信してきます。

 昔なら困難な時も夫婦は支え合って、という精神がありましたが、今は簡単に離婚という方向性に走る傾向があるように思いますが、かと言ってそれを責めるつもりはありません。なぜなら夫婦間のことは他人には分からないからです。

 私たち法人のすべきことは、ともかくも今日、明日の食料を提供し、生活が整うよう応援することです。

 コロナという終わりの見えない災害は、経済のみならず、精神も蝕んで行きます...。祈るばかりです。

食品ロスで思うこと              2021年8月

フードバンク活動には2つの路線があります。

①困窮者支援 ②食品ロスの削減 の活動です。

当法人は①の活動をメインに行っておりますが、それは文字通りの意味です。

 ②は食品の企業で印字ミスをしたとか、内容量に数グラム誤差が出たなどの理由で販売からはずされたもの、また、団体で備蓄している災害用食品の賞味期限が近づいて入れ替えとなるもの、などが破棄対象となってしまいます。それらは産業廃棄物として捨てると結構な金額がかかるそうで、それよりは送料をかけても、全てもらってもらえるならその方が安く済むし、フードバンク側としても無償で頂けることでwin win の関係になります。

 当法人にも時折、②の食品が企業等から届きますが、それらはまず困窮者に、次に、障害者施設や介護施設等に、そして、後はフードバンク活動を知って頂くためのツールとして一般の方々に配布しています。

それにしても、つまらない理由によって販売からはずされる食品の何と多いことか!野菜も規格サイズでなければ正規に売れません。消費者も一考願います。

数字による中間報告            2021年7月 

この4月から新たに活動をスタートして3ヶ月が経ちました。3ヶ月間の活動を数字でご報告申し上げます。

★提供された食品量:  1,504kg

☆支援した食品量:団体 19団体 :1,144kg

                   個人  19名    :      348kg

団体とは、仮設住宅、障害者施設、介護施設、生活困窮者支援団体、外国人支援団体、子ども食堂、などです。

個人とは、被災者、シングルマザー、生活保護受給者、コロナ禍による失業者、外国人亡命者、ホームレス、などです。

 ホームページをネットに掲載しているために、県外の方からもSOSが入ってきます。各市町村にフードバンクが常設されてその町の中で互いに助け合うことが理想ですが、現実はそうなっていないので、県外の方にも対応しています。福島は県外の多くの方方に助けて頂きましたので。皆様のご支援に感謝!

食品以外の提供品             2021年6月

当法人には食品だけでなく、日用品や衣類のお申し出もありますが、ありがたく頂戴しています。被災者は生活が元に戻らない以上、高齢者などは困窮状態から抜け出せず、それらも必要としているからです。

 また、東日本大震災以降の様々な自然災害、そして今のこのコロナ禍等ですっかり人々の生活は狂ってしまい、弱者はより弱者となってなり、精神的な病に陥る方も増加しています。若者も例外ではありません。親世代も子育てに困難を抱えています。

 先日は自立援助ホームの方から食料支援の要請が来ました。そんな中、引っ越しで家の中を片付けるので食器を提供したいという方が現れ、それはホームの若者が自立した時のためにありがたい事でした。食べ盛りの若者のために、食品とともに食器類が提供されました。

 さらに企業からTシャツが大量に提供され、生活困窮者は食事だけでなく衣類にも事欠いていますので、とても有難いことでした。

 私たちの活動はこうして皆様の暖かいご支援により成り立っています。ありがとうございます!

二つのケース              2021年5月

福島では、10年経った今も仮設暮らしを続けている方がいます。そもそも耐久年数が数年という仮設に10年というのは厳しいものがあります。しかし、故郷に戻れない以上、復興住宅でも家賃が発生しますので、それすら払うのが厳しい人が、数世帯ではありますが、仮設暮らしを続けています。そこを出ないのは意地もあるのかもしれません。家族をバラバラにされてしまった分、生活費は2重にかかるという問題も抱えています。生活が厳しいのは事実ですので、支援しています。

 児童養護施設は、かつては親御さんが亡くなってしまった子どもたちが入るところでしたが、今や8割が親による虐待からの避難場所となっています。18歳になると施設を出なければなりませんが、親が健在だけに本人も周囲も思いは複雑です。子どもには何の罪も何の落ち度もないだけに、理不尽な現実に心を痛めつつ、彼らの行く末が幸せであることを祈るばかりです。

 行政の隅間を埋めるのが私たちの活動です。微力ですが、皆様のお力を借りて頑張ります。

貧困は恥か               2021年4月

「フードバンク二本松」は4月から独立し、いよいよ活動を開始しました。他団体との協力体制をとって枠組みを広げていきたいと思っております。

 厚労省の発表では日本の約15%が貧困状態にあるとのことです。60,000人の人口であれば9,000人が貧困層ということになりますが、現実にはそのほとんどの人々は、役場や社協に相談に行くこともなく、助けを求めることもなく、陰に隠れています。また、貧困状態にあっても、助けは不要という姿勢を貫く方もおられます、人間にはプライドがありますから。

 こうした現象は、日本では貧しいことは恥、とか蔑むべきこと、とか惨めなこと、といった風潮があるためではないかと私は見ているのですが、皆さんはどう思われますか?

 この見方が当たらずといえども遠からずとしたら、どうしたらこの風潮を払拭できるでしょうか?

 今の対策としては、とりあえず、ご本人に恥をかかせないように「食品ロスを捨てずに食べるという活動をしていますので、食べるのを手伝ってください」と言ってお渡ししています。すると、「それは歓迎す!」と言って喜んで受け取ってくださいます。

新事業始動しました          2021年3月 

2021年3月3日付けで「一般社団法人フードバンク二本松」を設立いたしました。これまでも皆様には福島やさい畑在職中から多大なご支援を頂き、そのお陰で活動が成り立っておりました。心より感謝申し上げます。

 いつも時代にも明日の食事を心配する方々がおられます。一方、有り余るほどの食品を、結局は捨てている方々もおられます。その両極端のバランスをとってすべての人に食料が行き渡ることを願っています。

 福島県内だけでなく、県外からもSOSの電話が入ります。70代の方が地元のフードバンクから支援を受けたものの3回で打ち切られ、アルバイトを探してどうにか食い繋いでいるが、助けてもらいないか、ネットで探して当法人にたどり着いたとのことでした。

 人は余裕があって初めて笑顔が出ます。全ての人の笑顔のために、皆様の暖かいご支援をご無理のない範囲で、引き続き、お願できればと思います。

 微力ながら、私も定年後のボランティアとして頑張ってまいります。             

フードバンク二本松 〒964-0906 福島県二本松市 TEL:090-9220-4936 
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